「引きこもり支援」本人の支え方
引きこもりの方の支援を考える時、いつも思うことがあります。「彼(彼女)は毎日何を思って過ごしているのかな」と。
ご相談があって、ご本人にすぐにお会いできる時もあれば、なかなか会えないこともあります。私たちが行うのはまずは「話を聴く事に徹する」ということ。
支援団体によって出だしのやり方はそれぞれあるのだろうなぁ、と思っていて「話を聴く」のは少し地味かもしれないと思いながら話を聴きいています。
たくさん話をしてくださる方もいれば、間が長い方もいて色々ですがソーシャルワーカーは「人と対話をする職業」なのだと良く思います。カウンセラーと似たところもありますが役割とやっていることは少し違います。心理学も福祉学も領域としては近いので混同されている方も多いかもしれません。
自分の中の解釈では「カウンセラーはその人とその人の心を向き合わせる手伝いをする」、ソーシャルワーカーは「その人と社会が向き合って生きていけるように支援する」そんな風に自分の中では区別しています。
私は、ソーシャルワーカーなので引きこもりの方が社会と向き合って生きていけるように支援することが大切な仕事だと思っています。「社会」というのは家族も含まれます。家族は社会の中の一番小さな単位でその家族とスムーズに向き合えるように支援してきたいと考えています。
しかし、「家族と向き合うということ」これが一筋縄ではいきません。他人と違って「感情」が表面化しやすいためです。ソーシャルワーカーは対話を試みながら、それぞれが感情をぶつけ合いながらも、「お互いの真ん中を取れるように取り組んでいく」それがソーシャルワーカーの技量なのではないかと思います。
そして、私は「きれいごと」ばかり言わないように気を付けています。支援する中では、どうにもならない現実もあるので、決断するには厳しい側面もあるかもしれない。それらの現実をご本人に伝えながらも「それを乗り越えるために何をしていくか」を話し合うことがよくあります。
そして何より、ご本人の持つ力を支え、伸ばしていく(エンパワメント)そういったこともソーシャルワーカーの仕事になります。