「ゲームが止まらない」子ども達~①
ゲームによる親子ケンカが年々増えています。
子ども達にとってゲームは友達との交流であったり、暇つぶしだったり、達成感だったり、または心の隙間を埋める道具だったりします。しかし、日常生活の乱れが気になってくると、親御さんの心配は強くなり、叱ったり、ゲームを取り上げたり(返したり)試行錯誤しながらも、最終的には子どもとの激しいケンカへ発展していきます。
最近のゲームは、非常に手が込んでいて画像もキレイ、内容も面白いとあって大人でも根強い人気ですし、大人だって始めたゲームをなかなか止められないことがあるくらいです。
それが、脳がまだ未発達な子ども達なら尚更、自分の楽しさを優先してしまうこともあると納得ができます。「ゲームが止められない」をテーマに2回に分けて取り上げます。ゲームのために生活パターンが乱れがちの場合(今回)と、「依存症」と思われるほど深刻になった場合(次回)です。
【ゲームのために生活パターンが乱れがちの場合】
まずは、ゲームをやってしまい中々食事が始められない、ふろに入るのが遅くなりがち、宿題が後回しになるなど最終的にはやるべき事をするが、中々始めないような比較的軽度の場合について触れていきます。
「初めて」ゲームを家庭内に取り入れる時、ゲーム機やソフトは親がお金を出して用意します。ゲームを買うのは必ず親ですね。この時、多くの家庭では使用上のルール決めをしているかと思います。それがズルズルと守られず、ただの約束になってしまう事を親がもっと正しく認識しましょう。購入しているゲームの内容について親はどこまで理解しているでしょうか。そして、ここが重要ですがルールを守れなかった時の対応を決めていますか?
ご相談を受けた際に、「ルールを守らない」「宿題が済んでからゲームをするという約束が守られないと訴える親御さんがたくさんいます。親としては叱ったり怒鳴ったりしますが中々状況が変えられないということも多くあります。「ゲームは30分だけといったのに2時間もやっている」「宿題が終わる前にゲームをしていた」「30分ゲームをしたら休憩と言っているのにやり続けている」と嘆く親御さんが、たくさんいらっしゃいます。
。親の言い分ももちろんあります。「約束」というのは相手との信頼があってこそ生きてくるので「約束を守らない=信頼を保てない」と考えている大人の方は多いのではないでしょうか。でも、子どもさんの何人が「約束を守ることは信頼を得るために必要だ」と考えているでしょうか。そこまでこの「約束」を大きくとらえてる子どもはいないと思って間違いないです。
ゲームのルールを守らせるためには、それにふさわしい環境を用意する必要があります。それはもしかしたら親の不便を誘うかもしれません。それでも、決めたルールは親も子も守るということを徹底していきます。もし、親御さんが仕事で家にいない、子どもに強く言えないなど事情がある場合は、そもそもゲームを買い与えない方がよいと個人的には思います。ないものにハマることはありませんから。
もし、そういった環境が可能ならゲームを購入する前に次の準備をお勧めします。①ゲームの使用ルール決め、②ルールを守れなかった時のルール決め、③親がゲームの内容を理解する、④ゲームを親子のコミュニケーションツールにする。
この決めたルールは、子どもが勿論守る必要がありますが親もルールを守る必要があるのです。もし子どもが「あと15分やらせて!」と言ってきても例外を作ってはいけません。また、ルールを守れなかった時のルールも必ず実行します。親が疲れていても、面倒くさい時でも実行しないといけません。もし、その自信が親にないのならケンカを回避するためにゲームを買うのは止めた方がいいでしょう。
子ども達は、まだ「子ども」です。自分の欲求をコントロールできるほど理性が発達していないと考えてみましょう。この感情のコントロールを学習途中の子ども達に対して親は毅然とした態度で臨まないといけないのです。そして、ルールを守らせる時に怒鳴ったり、脅したりする必要は全くありません。にっこり笑って淡々とルールを実行すればいいのです。文句だけ言っても、伝わりません。その文句が聞き流せればゲームの続きが出来るのですから。
そして、これが最も大事です。親御さんはどんなに忙しくても、面倒くさい日でも子どもに関心を向けてください。親が相手してくれないからゲームをする、なんて状況を作らないように気を付けて。また、ゲームを通して子ども達の話を聴いて挙げてください。そうすれば子どもだけでゲームの世界に閉じこもることは無くなります。
次回、「依存的な」ゲームをする子どもたちについて取り上げます。