「不登校」から『親』を支援する意味
不登校の支援と言うと、子どもさん向けの支援がとてもたくさんあります。
子ども達の居場所の選択肢や家庭訪問などのサービスが増える事はとても良い事です。
学校しか居場所がないなんて、そんな詰まらないものはありません。
それこそ50年くらい前なら、子どもたちには秘密基地という居場所がありました。
自分だけの居場所を友達と作ったり、自分の好きなモノを持ち込んだり。昔話をしても、仕方がありませんがそれだけ子どもの生活環境から、「子どもの居場所」は削られていき、人工的に作り出す必要が出て来ていると感じます。
あまいろソーシャルオフィスでは、不登校支援を別の切り口から考えています。
私たちは、親御さんを通して子ども達の今の生活を見たいと思っています。
最近では、共働きのご家庭やひとり親家庭も多くなりました。
不登校になった子どもさんが、自宅で一人でいることの気がかりは並大抵ではありません。
また、一部お子さん自身が現状にイライラして暴れる行為が出てくることもあります。
学校に行かないことも、家で暴れてしまうことも全体の数からすると少数派で中々同じような境遇の人と出会い、家庭の事情を話すまでに親しくなる事はありません。
そうすると、悩みを相談するところはもっぱら行政や支援団体の窓口ということになります。ただし、平日の日中限定の相談になるので働いてる親御さんにはそもそも相談すること自体のハードルが高くなってしまいます。
あまいろでもその点をどうしたらいいかと悩むことがあります。
24時間、相談を受け付けるのは人員的に無理。
メールで相談はウェルカムですが、相談だけで問題が解決することはほぼないので(ごく軽い問題については例外もあります)どうしても本格的な支援(面談と家庭訪問)が必要になります。
お客様がお仕事終わって家に帰る時間帯、21時ごろまでの家庭訪問(面談)をイレギュラーで対応することもあります。
でも、それができるのも頻繁には難しく、ウチで働いてくれるスタッフさんを疲れさせるわけにもいきませんから(やっぱり「疲れ」というのはパフォーマンスを落としてしまうので!)悩むことしきり笑
ところで、私どもの団体が支援に入る時は、大半を親御さんとの面談に費やします。
あまいろの支援は、短期集中型なのですが短期間で結果を出すためには親御さんとの協働作業が絶対的に必要になるからです。(大人の引きこもり支援の場合は、少しやり方が異なります)
その上で、親御さんを通して支援したり、私たちが直接お子さんに働きかけたり、他の団体や学校の先生方を通して働きかけたりなど細分化されていきます。
私たちの支援の土台は、「親子関係」だと考えています。
適切な働きかけ、適切な距離感、適切な忍耐に適切な愛情を親御さんがお子さんに渡していけるように、ご支援しているとも言えます。
ただし、「適切な」というのが文章で言うのは難しく、また各家庭で適切なものが違うのであまいろの支援は必然的にオーダーメイドの取り組みとなっていきます。