中学受験を「親子」の視点で考える
中学受験にチャレンジする子どもたちはだいぶ多くなりました。
それは、人生の中のでも子どもにとって大きな挑戦であり、親にとっても重要なサポートの時期です。
しかし、この時期に親子の関係が悪化するケースが少なくありません。
親が勉強を教える中でつい力が入り、子どもに厳しく接してしまうことが多くみられます。
親からすれば、塾の宿題をやらせることも一苦労なのかもしれません。
あるいは、子ども自身が親の期待に応えようと相当の無理をして、すべての感情を抑えて従う子もいます。
このような状況は、将来的に親子間の衝突やすれ違いを生みやすく、受験が終わった後も引きずる大きな
問題となることも少なくありません。
親としての役割を見つめ直す
中学受験は、親子の協力が鍵となるものの、勉強の成果や結果に過度な期待を抱くと、
親子間の関係に影響を及ぼします。
子どもの勉強に積極的に関わることは大切ですが、親の熱意がプレッシャーとして伝わってしまうと、
子どもが「自分ではなく親のために受験をしている」と感じてしまうこともあります。
親は「あくまでも脇役」に徹することが重要です。
例えば、勉強の進捗を管理するのではなく、子ども自身が考え、計画を立てられる環境を整えることに
目を向けてみてください。
必要に応じてフォローしながらも、子どもが主体的に取り組む力を育むことが大切です。
「声を掛けなければ何もしない」と嘆くお母さん、お父さんもいらっしゃいますが、
毎日、毎日声を掛け、1から10まで言わないと動かないのだとしたら、おそらく自己管理ができるほど
心が育っていない証拠。まずは、1~3までできるように準備をし、3~6に進めるように自己管理を促して
最終的な自己学習の習慣を身に付ける、などステップを踏んではいかがでしょうか。
日常生活の管理と心の成熟度は比例します。
子どもの気持ちに耳を傾ける
中学受験を通じて子どもは学力だけでなく、心の成長も求められます。
親が一方的に指示を出すのではなく、子どもの気持ちや意見に耳を傾ける時間を持ちましょう。
勉強に対する悩みやストレスを聞いてあげることで、子どもは安心感を得られます。
また、子どもが疲れやストレスを抱えていると感じたら、勉強から少し離れてリフレッシュする機会を
意図的に作ってあげましょう。できれば、子どもの意向を聞いてあげてください。
「休むこと」も勉強の一部だと理解することで、親子の緊張関係が和らぐことがあります。
お互いの感情を尊重する
親子の喧嘩は、多くの場合、感情が高ぶってしまうことで起こります。
親の自分がどんな言葉を使って子どもに向かっているのかを振り返ってほしいなと思います。
そして親としてのとして冷静さを保ち、自分の言葉や態度が子どもにどのような影響を与えるかを意識しましょう。
たとえ喧嘩になってしまったとしても、その後のフォローが大切です。
「一緒に頑張りたい」という気持ちを素直に伝えることで、親子の絆を再確認できます。
ただし、「あなたのため」とは言わないでください。
子どもさんからすると「頼んでいない」と言われてしまったら、親は何も言えなくなってしまいます。
中学受験は子どもの未来へのステップですが、それ以上に親子の関係を深める機会でもあります。
焦らず、時には立ち止まって、お互いの気持ちを大切にしながら進んでいきましょう。