ともだち・付き合い~小学生編
ピカピカのランドセルを背負って、登校する4月。
親はちょっとソワソワします。
「ちゃんと学校に行けたかな?」
「先生の話が聞けてるかしら。」
「お友だちと仲良くできてる??」
放課後帰ってくるまで、気が気じゃありません。
「おともだち、できたー」
と言っていればホッとして、
「きょうは、つまらなかった」
と言われると「何かあったかな?友達とけんかしたのかな」
とグルグル考えてしまいます。
最近の小学生のいじめ問題:親が知っておくべきこと
ここからは、最近の傾向について触れていきます。いじめは小学生の間で深刻な問題として依然続いています。文部科学省の調査でも年々その報告件数が増加していて特に近年では、SNSやゲーム内チャットを通じた、いじめが低年齢層でも広がり、家庭や学校での早期対応が求められるようになりました。小学生のいじめは、発達段階の特徴とかかわりも深いため、適切な理解と対応が重要です。
小学生の発達課題といじめ
小学生の時期は、友人と交流しながら「社会性」や「自己肯定感」を育む重要な段階です。しかし、学校生活の中で人間関係の衝突や「自分と違う」という点から排除が起きやすく、いじめにつながることがあります。この年代のいじめは、からかいや仲間外れ、無視など表面的には遊びやちょっとした「コミュニケーション」と大人からは取られがちですが、子どもにとってはショックな出来事で、深刻な精神的ダメージを与える場合があります。また、ママ友同士の会話を子どもが聞いていたり、親の発言を鵜吞みにして、または親の言動を歪曲して受け取った結果、そのままオブラートに包まずに相手の子どもにぶつけることもあります。
素直と言えば素直ですが、その破壊力はすさまじいため、親をはじめ大人は(先生も!)発言には十分気を付けたいところです。
学校の対応と課題親の言動を歪曲して受け取った結果、
学校では、いじめ防止対策推進法に基づき、いじめの早期発見と対策に取り組んでいます。教員の巡回や相談窓口の設置、いじめに関するアンケート調査などが行われているようです。先生たちの「やるべきこと」はとても多く、いじめを軽視できない分、先生だけのマンパワーで取り組んでいいのかという問題もあります。また、現場では「いじめは見えにくい」という課題もあり、全てのケースを把握することは難しい状況です。心の成長と共に自分の受けたものを整理し、人に言える段階になるには時間を要することもあります。被害を訴えられない子どもも多いことを考えると、学校と家庭の連携が必要不可欠ですが、先生の多忙さと丁寧な対応がどこまで実現可能か心配は尽きません。
親としての心がけること
親ができる重要なことは、日々のコミュニケーションを通じて子どもの変化を敏感に察知することです。急に学校に行きたがらなくなったり、持ち物が壊れることが多くなった場合はいじめを疑うことになるでしょう。しかし「こども達」は騒がれることを好みません。大げさに驚いて見せたり、学校に訴えてやる!といった勢いを見せてしまうと、すぐに怖気づいてしまいます。「元気ないね」と言って黙って横に座ったり、子どもが何か言いたそうだったら親の手を止め話し始めるのを待ちます。矢継ぎ早に促す必要もなく、話す準備ができるまで待つくらいの心構えでよいでしょう。なかなか話せなかったら、そっと頭をなでて「なかなか話せる気持ちになれないね」と声を掛けてあげるのも良さそうです。話せるようになったら声を掛けて、と伝えていつでも聞ける体制をがあることを伝えます。
また、子どもがSNSを利用している場合、その使用状況を把握し、オンライン上のトラブルについて話し合うことも大切です。文章だけのやり取りは誤解を生みやすく、相手の表情が見えないため配慮を忘れてしまいます。低学年のころから書いた文章を親と共有してこの言葉で相手が傷つかないか話し合うこともよいでしょう。(思春期になったらできなくなるのでその前がおススメです)
いじめ問題に直面した場合、家庭内だけで抱え込まず、学校や専門機関に相談することで解決に近づきます。子どもが安心して学校生活を送れるよう、親として積極的に関わって(熱の入りすぎに注意です!)現状を冷静に見ていきましょう。
子どもの笑顔と成長を守るために、いじめ問題を他人事とせず、社会全体で向き合うことを願ってやみません。