「学校に行かない」子ども達
不登校の人数が、全国の小中不登校18万人 過去最多で7年連続増しています。(文科省・問題行動調査. 文部科学省 2019年)
不登校の子どもへの対応について、様々な本も出ていて取り組む団体も多くなりました。フリースクールのような居場所を提供する団体や学校との連携により取り組む場所もあります。
不登校の問題を考える時に、気を付けないといけない点は、問題が多肢に渡るということです。いじめによるもの、教員、友人関係によるもの、家庭内(親)の不安定さによるもの、子ども自身の特性によるものなどその見極めが、その後の支援体制を変えていきます。一つの事に心を奪われていると、大切な事柄を見落とすことも多々あります。
これは「不登校」という問題はどこに問題の根っこがあるかは調べてみないと分からない。また、調べてもすぐに出てこないこともあるくらいです。基本的なスタンスとしては「本人だけ」に働きかけをしても状況が改善しないこともあります。まだ、先行き不安定なのに子どもへの支援が出来たから安心してしまうのも問題です。子どもさんを中心とした周囲の環境全体が安定していることがとても重要だからです。
そのため、支援当初の環境調査ではご本人の不登校がどこからきているのかを調べ原因と思われるいくつかの課題に働きかけていくというステップを踏みます。そのために、学校に訪問し先生やクラスの生徒さんに話を聴くことも必要でしょう。また、ご家庭の様子が安定しないようでしたら家庭内の環境を整えるための働き掛けを行います。このようにいくつかの側面をフォローしながら、お子さまが本来持っている「力」を十分に発揮できる環境を整えていきます。
この時、ご家族からの協力は必須となります。まずは、学校やお子さまが所属している機関へ、当所の職員の顔つなぎと情報のやり取りを承諾する書類をご用意いただいたり、ご本人への働きかけを一緒に取り組んだりが必要です。
次に、本人とご家族と支援者がチームを組み、足並みを揃えた動きが必要です。そうすることで、対応が統一化され、お子さまにも今、ご両親がやろうとしている努力が分かりやすくなり、安心してよい生活環境を示すことが出来ます。
そして、ご質問の多い回復する期間については「個人差がとても大きい」ため一律にいつまでに学校に行けるというご提示ができません。また、ゴールについても事前に話し合い一つ一つ階段を登ることをご提案しています。(同じ学校への復学だけがゴールではありません)また、3~6か月ごとにモニタリング(事後評価)を実施し今後どのくらい状況が改善しているのかを確認することも大切です。待つ時期もありますが、状況が悪くなるまたは悪い状態のまま変化しないという事がないように取り組むことが必要です。